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2023.12.13

ボリュメトリックキャプチャとは?未来に伝統芸能を伝える映像制作方法

ボリュメトリックキャプチャについて、メディアで取り上げられているのを目にしたことはありませんか?今回は、話題の技術、ボリュメトリックキャプチャの可能性について調査してみました!

1:ボリュメトリックキャプチャとは?

ボリュメトリックキャプチャとはスタジオにいる実際の人物を100台以上のカメラで360度取り囲み、空間ごと丸ごと撮影することで、動画の3DCGデータを作成できる技術です。この3DCGデータは360度自由視点表現として任意の方向から2D映像に変換できたり、ARや立体モニター、VRゴーグル映像(ヘッドマウントディスプレイ)としても流用できます。また、従来のモデリングでは難しい、繊細なレースなどの柔らかい素材の服の表現や複雑で不規則な動きであってもボリュメトリックキャプチャを用いると、簡便に3DCGとして取り込み可能です。

活用方法としては、背景映像と、ボリュメトリックキャプチャを用いて作成した3DCGデータを合成して、別の空間で撮ったかのような映像を作成するなどの表現ができます。

引用: SONY:VOLUMETRIC CAPTURE DEMO [KIYOSUMI-SHIRAKAWA BASE]

2:バーチャルプロダクションとの違い

グリーンバック背景で撮影して、別の空間で撮ったかのような映像を作成できるのであれば、バーチャルプロダクションとは何が違うの?と感じる方もいらっしゃるかと思います。
調査したところ、バーチャルプロダクションとは大きく2点の違いがあるようです。

 

参考:バーチャルプロダクションとは?
リアルタイムでバーチャル世界と現実世界を融合することで、再撮影や映像編集などの映像制作コストの効率化ができる映像制作の新手法です。バーチャルプロダクションについて詳しく知りたい方は、別の記事【「バーチャルプロダクション」とは?もうロケ地を探さなくていい!?〜動画事例や活用メリットも紹介〜】でメリット、活用事例をまとめています。
 
 

ボリュメトリックキャプチャは、2D映像だけでなく3DCGデータも生成可能

前述の通り、ボリュメトリックキャプチャは2D映像だけでなく、3DCG映像データも生成可能です。そのため、この技術はARや立体モニター、VRゴーグル映像(ヘッドマウントディスプレイ)としても利用できます。たとえば、15人組のアイドルグループがフォーメーションダンスを披露する動画を制作する場合、通常では15人のスケジュールを合わせなければなりません。しかし、ボリュメトリックキャプチャを用いれば、各メンバーが個別に踊っているシーンを撮影、データ化しておけば、その後の工程で簡単にフォーメーションを構築、動画を制作することが可能です。これにより、全員のスケジュールを合わせる手間が省かれ、NGテイクも減少します。

ボリュメトリックキャプチャは、映像のリアルタイム作成が難しい

ボリュメトリックキャプチャは撮影後に調整する作業工程が多くなる場合があります。
例えば、照明です。被写体に対して満遍に照明を焚くことが多く、それに従って、仕上がるデータも明るいものとなり、合成したい背景との連動性が薄くなります。後作業でライティングを調整する技術が必要となります。

3:ボリュメトリックキャプチャの活用メリット

伝統芸能や職人の技を映像資料として未来に伝承できる

ボリュメトリックキャプチャを活用することで、伝統芸能の動きや演技、職人の技を高い精度で記録できることから、後世に映像資料として伝えることが可能となります。技の継承は、言葉や文章だけではなく、身体の動きや表現も含めた総合的なものであるため、ボリュメトリックキャプチャの繊細なモーションキャプチャが役に立ちます。伝統芸能特有の技法や感性がより正確に再現可能で、未来の世代に引き継がれることが期待できます。

3DCGを活用した映像の制作期間が短縮できる

ボリュメトリックキャプチャは現実の物体や人物の形状を迅速かつ精密に3DCGデータ化できるため、通常の手法に比べて制作進行がスムーズになります。スケジュールの柔軟性が向上し、制作期間の短縮が実現され、制作コストの削減や工数の削減など、多くのメリットが期待できます。

 

高品質な視覚効果(VFX)の実現

ボリュメトリックキャプチャは現実の動きや形状をリアルに捉えることができるため、リアルなVFXの制作が可能です。キャラクターやオブジェクトの動きをより自然で迫力あるものに仕上げられるため、映像制作のクオリティを飛躍的に向上させることができます。映画やゲームにおいて、現実と仮想を融合し、より没入できるクリエイティブが求められる中で、その期待に見合った映像を提供できます。

 

 

まとめ

ボリュメトリックキャプチャはVRやARにおいて、現実と仮想の境界をますます曖昧にしていきます。現実の動きをリアルに捉え、それを仮想空間に反映させることで、より没入感のある仮想体験や、貴重な技術の伝承が可能になり、エンターテインメントや教育分野での新しい体験が生まれるでしょう!

 

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